■ 調査研究法〔PLP・SRP〕(前期) ■


〔授業の概要〕
 この講義は,「環境社会学における質的データの収集と分析」を主題とし,質的データの収集とその分析といった「質的調査法」を概説することを目的とする。とりわけ,環境社会学分野で多用されるフィールドワークや参与観察,半構造化インタビューといった手法を取り上げ,その方法論と実際,可能性と限界について,体系的に講義する。地域社会の住民運動や政策過程の調査を想定し,方法論のみならず,作法や実際的技術にも留意しながら講義を進めることになるだろう。

〔授業の構成〕
(1)総論:講義の目的と構成
(2)質的調査法とは何か:その全体像と手法
(3)先行研究に学ぶ(1):都市社会学における質的調査法の展開
(4)先行研究に学ぶ(2):環境社会学における質的調査
(5)質的調査の手法(1):課題設定と諸調査法
(6)質的調査の手法(2):どのようにフィールドに接近するか
(7)質的調査の手法(3):参与観察法とは何か
(8)質的調査の手法(4):構造化/半構造化インタビュー
(9)質的調査の手法(5):視覚データの収集方法と分析
(10)質的調査の手法(6):ドキュメント分析
(11)質的データ分析の諸相
(12)質的調査の実際(1):住民運動調査
(13)質的調査の実際(2):自治体の政策調査
(14)質的調査に基づく論文執筆
(15)結論:質的調査の可能性

〔教科書・参考書〕
 石川他編『見えないものを見る力』(八千代出版,1998年),佐藤郁哉『フィールドワークの技法』(新曜社,2002年),佐藤郁哉『定性データ分析入門』(新曜社,2006年),など,多数。詳細は,開講時に文献リストを配付します。

〔評価の方法と基準〕
 学期末に提出してもらう論文で評価します。通常の授業での発言の量と質も,当然ながら評価の対象になります。

〔学生に対する希望〕
 受講生には,(1)毎回出席すること,(2)各回の課題を着実に果たすこと,の2点が求められます。必ず,堀川の担当する「社会調査実習」とセットにして受講すること。