今回の被告準備書面(2)も、相変わらず、紋切り型の主張をしているだけです。瑣末なことにこだわって、
しかも根拠薄弱な事項を提示して、疋田教諭はうそつきだ、性格が悪いと、ただ主張しているに過ぎません。
人事委員会での審理のときに、自宅から最寄駅までのバスの乗車時間が数分違う等をもって、疋田教諭はうそつきだと主張していた(しかも、その瑣末な主張も簡単に論破できました)、被告側の、苦しい主張に、またしてもただ開き直って、
オウム返しのように、「うそつき」と繰り返しているだけのようなものでした。
以下、被告側が自信満々に提示してきた論点について、そのうちの二つについて、私の意見を提示し、論破しておきます。
疋田教諭が赴任したときに持参した教材(学校行事のためのものも含め)は、すべて理科準備室に置かれたわけではありません。当初、担当クラスの学級文庫としてクラスの教室に置かれていたり、学期関係・文化祭用のものは視聴覚室に置かれていたり、使用目的に応じて、ふさわしい場所に配置されました。
疋田教諭が管理する理科第1準備室に荷物が増えたのは、もともと疋田教諭が熱心に授業の準備をする関係でたくさん所持していたので、その教材もおかれていましたが、そのほか、疋田教諭が学級担任から外されて引き取ったものや、また視聴覚室を別利用に供したいという管理担当教員の意向から、引き取ったものもありました。そして、性教育の教材も、疋田教諭自身が行っていた教材とともに、養護教諭の性教育実践に協力して保管したものもありました。
被告準備書面では相変わらず、成人雑誌を「私物」の象徴として主張しています。性教育雑誌の発行年月日が疋田教諭が小平第5中学校に赴任する以前のものであっても、養護教諭に協力して、複数教員で集めた雑誌が、すでにそれぞれで購入されていたものであったとしても、そこにどんな問題があるというのでしょう。はるかに古いものでなければ、性教育の教材として扱うには十分なものであり、それが集められていたことに不思議はありません。
「大量」といわれる物品はすべて教材(学校行事のためのものも含め)として保管されていたものであるという、こちらの主張をなんら覆すものではないのです。
なお、「私物」「私物」と被告は繰り返しますが、「成人雑誌」については、被告が想定している「私物」の所有者に確認なく、勝手に、校長室に運んだと、人事委員会で証言されています。疋田教諭が引き取った荷物の中にはそのような「成人雑誌」が入っていなかったので、この証言−つまり疋田教諭が引き取った荷物には入っていなかった−と照合します。つまり被告側が保管しているということです。そうであるなら、現物を証拠として示せばいいのに、被告側は、写真のみしか提示せず、また今回も、わざわざ国会図書館の雑誌を使って、発行年月日を強調しています。
現物はどうしたのでしょうか。
もし、被告側で処分していたのだとしたら、それは被告側がそれらの雑誌を疋田教諭の「私物」とは考えていないということではないでしょうか。すなわち、大量の「私物」を学校内に保管していたとする、その「私物」としての典型として被告が示そうとした「成人雑誌」を、実は被告は「私物」とはみていということです。すなわち被告の主張は矛盾しており、自ら、その主張を証拠づけようとしたものを、みずからその証拠としての意味を否定しているということです。つまり被告の主張には合理性がなく、大量の「私物」を保管しているという主張は、主張として成りたたないということになります。
なお、当時生徒だった方によると、疋田教諭が保管していた教材(学校行事関係も含む)は、特に理科室での授業で邪魔になることなどなかったとのことです。また、クラス演劇、文化祭等で活動をするとき、疋田教諭が保管していたさまざまな教材(道具)が活用され、生徒たちは、「ジョニ−がもっているかもしれない」「ジョニ−がもっているよ」と、それらの教材(道具)を疋田教諭から提供してもらうことを想定して、活動を進めていたところもあったようです。
すなわち、疋田教諭が保管していたものは、授業はもちろん、さまざまな学校行事に活用され、また頼りにされてきたといえます。
また、クラス(行事後の学級祝勝会や保護者会)で使用するために理科準備室にストックしていた紙コップ300個分を、周年行事に急に必要なったという理由で事務職員から頼まれて、寄付したこともあったそうです。
疋田教諭が赴任の際に持参したアンプとスピーカーは、小平第5中学での活動(理科室での視聴覚授業の時のモニター用音声機器として使用する)継続のために、疋田教諭が同校から荷物を引き取る際、同校に寄付されました。
なお、疋田教諭が家庭訪問、選択理科の授業などに使うため、学校においておいた折りたたみ自転車は、疋田教諭が研修に入っている間に紛失しました。疋田教諭が警備員さんから聞いたところによると、教頭が「欲しい人は持っていってください」と言ったそうで、所有者への確認なく、売却または譲渡されたとのことです。その様子はまるで職員間のセリのようだったそうです。
体罰を受けた保護者に対する聞取り記録をつかって、疋田教諭の「性格」を暴力的なものとして提示しようとしていますが、すでに、この聞取り調査で証言の記録とされていることは、「原告準備書面(3)」で「本件処分の処分通知書には処分事由としては挙げられてはいないものの、処分の正当性を後付けるため「原告の矯正し難い性格に根ざすもの」を示す事由として主張されている事実にも、明らかに事実に反するものがあるので、幾つかこの機会に指摘しておく。」(10ペ−ジ)として、丁寧に論破しています。それなのに、 この「事実に反するもの」で、「二重の伝聞証拠のみ」というものをまた、その点について何の反論もなく、そのまま提示しています。
これでは人事委員会と同じレベルです。人事委員会では何の証拠調べもなく、そのままこのような記録を丸呑みして、裁決してしまっているのです。
更新2008/9/3