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鈴木豊ゼミの紹介 (1999年頃までのゼミ紹介冊子より) |
テーマ
ミクロ経済学、ゲーム理論とその応用。契約と組織の理論。「制度」の契約論的分析。
内 容
ミクロ経済学、ゲーム理論、契約と組織の理論を学ぶとともに、それを使って、現実の経済現象の本質が
どこにあるかを理論的に考えてゆきます。
例えば、自動車産業では、トヨタは、下請企業を2社雇って競争によって品質向上のインセンティブを引き出している
けれども、GMは部品を内製しているという現象は、どう理解したらよいのか。近年の企業間取引関係の変化や、
企業内終身雇用・年功序列制の変化は、そこでの企業や労働者の様々なインセンティブに如何なる影響を及ぼすのか
現実の契約書は、すべての項目をきちっと網羅した完備なものになっていないけれども、これは、如何なるメリット、
デメリットがあるのか、むしろ故意に決めないでおくのか。最近の主要な経済動向の一つである金融、電気通信、
自動車産業での合併提携の動きは、どのような視点で捉えることが出来、また学問的に分析できるのかなど、
常に最近の経済学の進展と現実の経済問題との対応を念頭におきながら、ゼミ生の発表と質疑応答の繰り返しを
通じて、経済学的センスの育成に努めます。
時には、理論そのものを出来るだけ根本的な次元で考えることにもチャレンジしますが、その場合も現実の経済
問題への関心を忘れないようにします。
テキスト
マクミラン『経営戦略のゲーム理論:交渉・契約・入札の経済分析』96年、ギボンズ『経済学のためのゲーム理論』
97年の他、経営組織、インセンティブ、権限問題、取引関係(関係特殊的取引など)、日米の自動車産業の比較に
関する示唆的または実証的な論文を題材として使って、それを理論的に考える、などをしてきました。
昨年度(98年度)は、ミルグロム+ロバーツの『組織の経済学』(NTT出版)を使って、この分野の研究成果を
的確に理解し、同時に問題発見能力を養うことを目的に演習を行いました。
今年度(99年度)は、上記『組織の経済学』の継続に加えて、ディワトリフォン+ティロールの『銀行規制の新潮流』
(東洋経済新報社)を読み進めつつ関連論文、新聞記事などを検討しています。また、この本の基礎となる理論的分析
ツールであるインセンティブ理論、ゲーム理論の簡単な論文もサブゼミ等で補完的に取り扱っています。
ひとこと
経済学をしっかりと学びたい人、意欲のある人、議論好きな人、論理的に物事を考えたい人、など歓迎しますが、
最低限、自分の責任を果たせること(年2、3回の報告)が条件です。私自身は、研究と教育を補完的なものにしたい
と考えており、一方通行の教育でなく、学生からも刺激を受けたいと思っています。
ゼミ生の進路
金融、メーカー、流通、出版、運輸、IT、公務員、大学院(東大(2名)、法政、一橋、大阪)など、多様です。
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