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 情 報 経 済 論 : 資料2 ---- 1999年5月6日 鈴木 豊

  1. 太郎と次郎は、親から相続した絵画を競売にかける相談をしている。2人は絵画が20億円で売れるか(状態1)、
    10億円で売れるか(状態2)5分5分であるとの判断で一致している。自分の取り分をX億円とする時、太郎の
     効用関数は、次郎の効用関数はで与えられるものとする。

    (1) 2人の危険に対する態度を述べなさい。

    (2) 2人が売り上げ代金を折半するという契約から、それぞれはいくらの期待効用を得るか?

    (3) 太郎のリスクプレミアムをRとする時、その大きさを決める式を示しなさい。その上で、と特定化して、
       具体的数値でRを求めなさい。

    (4) 太郎の効用関数が、次郎の効用関数がだと修正する。この時2人が売上代金を
       折半するという契約からそれぞれが得る期待効用を求め、それぞれの確実性同値額 (Certainty Equivalent)
       を求めなさい。

    解説

    * 売上代金を折半する契約を結ぶということは、各人にとって、次の“くじ”を引くこと

       

      に相当する。

    * 太郎の期待効用は、(3) の特定化した効用関数のケースでは、 
      である。このくじの期待金額はであるので、
      リスクプレミアムは、次の関係式

        

      を解いて、 となる。 → ★ 図示は、授業にて。

    意味: このリスク(不確実なくじ)に対して、完全な保険をかけるために、個人が最大限支払ってもいいと考える金額。

    * 確実性同値額は、くじから得られる期待効用を確実に保証する安全確実なくじの
      収益金額であるので、の関係がある。よって、
      である。リスクプレミアムは、くじの期待金額から確実性同値額を引いた金額として定義されるので、
      となる。

    * (4) については、次の表を参照。

太  郎

次  郎

効用関数

期待効用

期待金額

7.5

7.5

公式とリスクプレミアムRの導出。確実性同値額は



   以上より、次郎の方が太郎よりリスクプレミアムを多く支払う用意があり(0.735>0.188)、
  リスク回避的であると分かる。

  2. 「日本企業では、好不況にかかわらず、労働者に安定的な雇用および賃金を保証するかわりに、
    その分、平均的にみると賃金を低めに押さえている。」と、かつての日本的雇用慣行の下では
    よく言われていた。この現象を、企業、労働者の危険に対する態度を仮定し、リスクプレミアムという言葉を
    1回は使って、簡潔に説明しなさい。

  3. 同じく大きな制度改革が進行している金融業界の中で、変化しつつある典型的日本型制度として
    「メインバンク・システム」がある。これは、大企業とメインバンクとの間の緊密な取引であり、企業は
    経営危機に際して、銀行に緊急融資などの支援(資金援助、ヘルプ)を期待する代わりに、
    その見返りとして、銀行に対して協力預金、給与振り込みなどの従業員取引の集中、高額な
    社債委託手数料の支払いなどを行うといったものである。これについて、上記2と同じように説明を試みよ。


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