W E L C O M E T O O U R H O M E P A G E
S U Z U K I S E M I N A R
鈴 木 豊 研 究 室
法政大学ホームページ
法政大学多摩キャンパス
Last update :
12/17/2003
#
ホーム
---
#
鈴木 豊
---
#
鈴木豊ゼミ
---
ゼミ生
---
連絡事項
---
アルバム
---
# 講義
---
入門ゼミ
---
現代経済学I
---
ミクロ経済学
---
情報経済論
---
>>>
経済数理基礎
---
#
リンク
---
Mail
情 報 経 済 論
: 資料2 ---- 1999年5月6日 鈴木 豊
1. 太郎と次郎は、親から相続した絵画を競売にかける相談をしている。2人は絵画が20億円で売れるか(状態1)、
10億円で売れるか(状態2)5分5分であるとの判断で一致している。自分の取り分をX億円とする時、太郎の
効用関数は
、
、次郎の効用関数は
で与えられるものとする。
(1) 2人の危険に対する態度を述べなさい。
(2) 2人が売り上げ代金を折半するという契約から、それぞれはいくらの期待効用を得るか?
(3) 太郎のリスクプレミアムをRとする時、その大きさを決める式を示しなさい。その上で、
と特定化して、
具体的数値でRを求めなさい。
(4) 太郎の効用関数が
、次郎の効用関数が
だと修正する。この時2人が売上代金を
折半するという契約からそれぞれが得る期待効用を求め、それぞれの確実性同値額 (Certainty Equivalent)
を求めなさい。
解説
* 売上代金を折半する契約を結ぶということは、各人にとって、次の“くじ”を引くこと
に相当する。
* 太郎の期待効用は
、(3) の特定化した効用関数のケースでは、
である。このくじの期待金額は
であるので、
リスクプレミアムは、次の関係式
を解いて、
となる。 → ★ 図示は、授業にて。
意味
: このリスク(不確実なくじ)に対して、完全な保険をかけるために、個人が最大限支払ってもいいと考える金額。
* 確実性同値額
は、くじから得られる期待効用
を確実に保証する安全確実なくじの
収益金額であるので、
の関係がある。よって、
である。リスクプレミアムは、くじの期待金額
から確実性同値額
を引いた金額として定義されるので、
となる。
* (4) については、次の表を参照。
太 郎
次 郎
効用関数
期待効用
期待金額
7.5
7.5
公式とリスクプレミアムRの導出。
確実性同値額は
。
以上より、次郎の方が太郎よりリスクプレミアムを多く支払う用意があり(0.735>0.188)、
リスク回避的であると分かる。
2. 「日本企業では、好不況にかかわらず、労働者に安定的な雇用および賃金を保証するかわりに、
その分、平均的にみると賃金を低めに押さえている。」と、かつての日本的雇用慣行の下では
よく言われていた。この現象を、企業、労働者の危険に対する態度を仮定し、リスクプレミアムという言葉を
1回は使って、簡潔に説明しなさい。
3. 同じく大きな制度改革が進行している金融業界の中で、変化しつつある典型的日本型制度として
「メインバンク・システム」がある。これは、大企業とメインバンクとの間の緊密な取引であり、企業は
経営危機に際して、銀行に緊急融資などの支援(資金援助、ヘルプ)を期待する代わりに、
その見返りとして、銀行に対して協力預金、給与振り込みなどの従業員取引の集中、高額な
社債委託手数料の支払いなどを行うといったものである。これについて、上記2と同じように説明を試みよ。
Back
copy right(c)
http://prof.mt.tama.hosei.ac.jp/~yutaka/