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S U Z U K I  S E M I N A R   鈴 木 豊 研 究 室 法政大学ホームページ
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Last update : 12/17/2003 

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 入 門 ゼ ミ : 最終試験 ---- 1999年7月12日 1Mクラス  鈴木

  1. 大学生の太郎君は、1週間に2万円支出するとする。彼は、それを1食当り500円の食費か、 1冊当り2,000円の
    本のために支出する。

    (1) 太郎君の消費可能性集合(機会集合)を描きなさい。ただし、この時の食費と本とのトレードオフ(相対価格、
       価格比率)も明示すること。

    (2) 太郎君が、相対的に本に偏った嗜好(選好)を持っているときの無差別曲線を示し、次に予算制約下の
       効用最大化行動を、図で示しなさい。彼が選択する点(主体均衡)をEと示すこと。

    (3) 今、次のように状況が変化したとする。すなわち、親が1週当りもう4千円余計に仕送りし始めたが、物価も上昇し、
       食費は600円、本代も2,400円になったとする。この時、太郎君の暮らし向き(生活水準)はどうなるか?彼の、
       効用最大化行動の結果(主体均衡)の比較という形で考えなさい。

  2. 労働(L)と原油(P)だけを生産要素として使用する完全競争企業を考える。この企業の生産量1に対応する
    等量曲線には、がのっている。この生産要素の組み合わせ(E)は、労働賃金1,000円、原油価格800円の下での
    費用最小化を達成する組であるとする。

    (1) この状況を図示せよ。要素価格比率も明示すること。

    (2) いま、中東での軍事緊張にともなって世界の原油価格が2倍に高騰したとしよう。この企業が労働(L)も原油(P)も
       投入量をフレクシブルに調節できるとして、この企業はどういう対応をすると予想されるか、図によって示せ。
       調整後の生産要素の組をE' として記すこと。

    (3) 短期的には、労働慣行によって労働者を自由に解雇したり増員できないとし、現在のL=3に固定されている
       とする。この企業の短期の原油(P)に関する生産関数が「限界生産力逓減(収益逓減)」の性質を満たすとき、
       そのグラフを描け。また、下線部を説明せよ。

  3. 米を主食とするある国が米を自給自足しており、米市場は競争的でこれまで自由な取引が行われてきた。
    米の需要供給曲線は下表で表されるような関係を満たしているとする。「需要供給分析」の手法を用いて
    下の各問に答えよ。

需  要

供  給

価 格 (万円/トン)

数 量 (トン)

価 格 (万円/トン)

数 量 (トン)

650
600
550
500
450
400
350

900
1,100
1,300
1,500
1,700
1,900
2,100

650
600
550
500
450
400
350
1,800
1,700
1,600
1,500
1,400
1,300
1,200


    (1) 需要曲線を図に描きなさい。また、需要関数を求めなさい。

    (2) 給曲線を図に描きなさい。また、供給関数を求めなさい。

    (3) 均衡、すなわち均衡価格と均衡取引数量を求めなさい。

    (4) 政府が米作農家に1トンあたり150万円の補助金を与えるとしよう。この時、需要供給曲線はいかに
       シフトするか?新しい均衡はどうなるか?

    (5) この補助金政策により、消費者、生産者は単位(1トン)あたりどれだけ利益を得るか?

    (6) 市場メカニズム、または価格の自動調節機能とは何か?

  4. 以下の問に答えよ。

    (1) ナッシュ均衡とはどういう概念か?簡単に説明せよ。

    (2) 以下のゲームについて、ナッシュ均衡は何か?それぞれ、指摘せよ。

@

B 

A

R

T

R

10,  10 0,  12

T

12,  0 1,  1
  
A

B  

A

R

T

R

10,  10 2, 12

T

12,  2 1,  1
 
  B

B 

A

R

T

R

9,  9 0,  8

T

8,  0 7,  7


    (3) @、A、Bの中で、「囚人のジレンマ」状況を現したゲームはどれか?

    (4) 国際関係の文献に、‘安全保障のジレンマ(security dilemma)’と呼ばれる状況が存在する。それは、
       緊張関係にある2国が、それぞれ破壊力の増大した新兵器システムの開発を考えていて、両国がそのシステムを
       保有しない状態が両国ともにベストであるが、一方だけがそれを保有してしまうと、自国にとって大きな不利となる。
       両国ともそのシステムを開発しないことに合意することができるのか?これを、Bの枠組みを使って、説明せよ。

    (5) 次の2題の中から1問選んで答えよ。

        (A) (3)の「囚人のジレンマ」ゲームが無限回繰り返されると、いかなることが可能になるか?「トリガー戦略、
           協調によって得られる長期的利益、ナッシュ均衡」という言葉を1回は使って説明せよ。できるだけ、
           ゲームの具体的数値を入れて説明する方が望ましい。

        (B) Cのゲームについて、まず「ナッシュ均衡」を指摘せよ。次に、Bが相手(A)の戦略選択に関する不確実性
           を考慮し、それに伴うリスクを強く回避するプレーヤーだという仮定を追加的に置いた場合、もっともらしい
           ゲームの結果は何だと思うか?その判断の理由付けをせよ。

       (注) 右のペイオフ行列の -200 という部分に注目せよ。

C

B 

A

R

T

R

3,     0

1,     2

T

0,     4

0,  -200



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