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ゼ ミ 生 |
1998年度鈴木ゼミナール優秀論文
「現代流通におけるインセンティブ装置としてのリベート:ゲーム理論的分析」
箕輪 貴司
本論文は、流通業において典型的に観察される「リベート」という慣行を、小売業者の販売促進努力(インセンティブ)
を引き出すための製造業者による報酬(Reward)またはインセンティブ装置(Device)として捉え、そのやり取りが、
通常のエージェンシーモデルで仮定されているような明示的な契約(Explicit
Contract)なしでも、製造業者と小売業者
の間の「非協力繰り返しゲーム」の協調的ナッシュ均衡として、自己強制的に(Self-enforcingに)生じうる、そして日本
のリベートに関わる慣行の本質はこれに近いということを理論的に示したものである。彼はゼミで使用した、ギボンズの
ゲーム理論の教科書(「経済学のためのゲーム理論」)を十分に理解し、その対応部分(シャピロ+スティグリッツに
始まるゲーム論的な効率賃金モデル)を基にして、現実の日本の流通制度の典型的慣行(の一つであるリベート)の
本質をゲーム理論的に切ってみせた。モデル分析を行うに際しての実態(Practice)の把握の的確さ、その抽象化の
簡明さ、要領の良さ、分析の論理的展開など、学部生としては、十分クオリティーの高い論文であり、優秀論文に文句なく
値するものである。
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