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ゼ ミ 生 |
1999年度鈴木ゼミナール優秀論文
「第3セクターの活用法 ― 成功する第3セクターとは ―」
斉藤 弘治
国鉄の分割民営化や電信、専売公社の民営化が叫ばれた1980年代に盛んに設立され、様々な分野に活用されて
きた「第3セクター」であるが、バブル経済崩壊の頃より、「第3セクター」方式による各地の事業がその破綻や経営危機を
迎えるようになり、ここ数年でそのネガティブな側面が盛んに報道されるようになった。最近では約半数の3900に及ぶ
「第3セクター」が赤字であることが報告されている。しかし、他方で、「第3セクター」方式は、官民のメリットがかみ合った
有効なプロジェクト実行方式でもあり、いくつかの成功例も報告されている。この論文は、(学部生としては)詳細な事例
調査を行い、比較検討の中から、望ましいまたは成功する「第3セクター」の形態の法則性を帰納的に導き出した。
学部生としては、解像度の高い事例分析となっている。この問題を「契約の不完備性や権限委譲、契約の再交渉」など
の最近の「組織と契約の経済学」の分析ツールで理論的に検討することは、大変興味ある問題であろう。
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